『桜の森の満開の下水漬く屍・抄』『泥人形Fの帰郷』kindleにて発表しました

 自作の宣伝です。
 先日、キンドルにて、新たに2作品、短編を発表しました。

 『桜の森の満開の下水漬く屍・抄』と『泥人形Fの帰郷』が、それです。

 両作品とも、実は一、二年前に書きかけたまま放置していたものですが、
 このたび天啓を受けて(?)、ほぼ同時に完成にこぎ着けることができました。


『桜の森の満開の下水漬く屍・抄』

 一応、ホラーという心づもりで書き上げたものですが、今現在、こういうものをホラーと呼ぶのかな?
 だんだん自分でも分からなくなってきました。
 どうせなら語り手であるボケたお爺ちゃんに100章丸々語らせようかとも思ったのですが……。
 書く私にも読んでいただける皆様にも、無間地獄さながらの苦行となることは明白なので、やむをえず「抄本」という形をとらせていただきました。
 便利ですね、「○○・抄」。

 そんなわけで、形式は卑怯なネタ臭が漂っていますが、内容は至って真面目です。
 アマゾンでの紹介文も、ネタではなく大真面目です。
 「坂口、梶井の呪縛から、桜の物語を、日本文学を、解き放つ」、、、だそうです。
 ……言うだけなら簡単ですが。



『泥人形Fの帰郷』

 こちらも大真面目で書きました。
 マジになり過ぎて、ホラー要素を盛り込む余地が無くなってしまいました。
 SFと言い張るにも奇想小説と言い張るにも弱っちい、ジャンル的になんと名のればいいのやら。
 書いた自分もよく分からないのですが、普段書いているアイデア先行型のものよりは、多少なりとも一般的な小説に近い話になってるような気がします。

 「作者自身が直面する現実を描かなければ真の文学ではない」などというまことしやかな説もありますが。
 個人的には、そう断定するのもいかがなものかと思いますが、少なくともこの『泥人形Fの帰郷』は、私、杉崎の<現実>を描いた、今のところ数少ない作品の一つです。
 かといって、何が何のメタファーなのか、などと難しく勘ぐらず、ありのままの物語を読んでいただければ嬉しいのですが。

 ぶっちゃけ、自分自身の現実、なんてものは置いといて、想像力の限りを尽くして絵空事のストーリーを思い描く方が、よっぽど楽しい作業のようにも思いました。
 と、こんなことをしれっと白状していいのか?とも思いますが、これが『泥人形Fの帰郷』を書き終えた今の、偽らざる心境です。